■源流研究所の事業内容と活動紹介

(2)源流域の自然的・歴史的・文化的・経済的資源の調査研究

 源流研究所の第一の使命は、源流域の自然、歴史、文化などの資源の徹底した調

査研究とそのデータの蓄積にある。人材の不足する中、与えられた課題や任務は大き

く何から手を付けたらいいのか悩むところだが、現在小菅川の滝や淵、尾根や沢など

の名称とその由来を調査している。また、源流域の仕事と食との関係など生活と文化

に注目している。さらに、東京農大の協力を得て「源流牛ノ寝林相調査」に着手した。

源流一帯には、水を育む豊かな森があるが、そこにはどんな種類の樹木があるのか、

その樹木の大きさや年齢、樹木を育てる土壌、樹木の階層図などの基礎的データを

得て、森林全体の実像・実態を把握することがその目的である。

 a)滝や淵、尾根や沢等の名称とその由来の調査・研究

 昨年3月から、妙見菩薩版の「源流絵図」を作成するため、調査活動を開始した。

この活動は、中村文明所長を中心に、小菅村教育委員会の降矢教育長、加藤教育

課長の指導・援助のもと、高齢者学級の全面的な協力を得て進められている。また、

源流域の実踏調査には地元猟友会の会員、小菅村役場の職員の積極的な協力が

図られている。

 現在、小菅村の下流から遡りながら淵と滝の名称の特定を進めている。

ツリガネ淵、テンゴウ淵、ブッコロサレ、古橋場淵、カマツ淵、ベーゼェ、ウバノフトコロ、

桜淵、ウバシ淵、浅間淵、コンコツ淵、ショウジ淵、マキムシバの淵、梅オジィー下淵、

キネッコ淵、蛇石淵、白沢出会い淵、雨乞いの滝、ヤチグラノ滝、ドウドコロの淵、

曲淵、お安淵、矢花淵、三太郎淵、センゴリ淵、清水淵、瀬干し、山の神淵、木下淵、

ナガトロ淵、カマッ淵、弁天岩、丸淵、エゴ淵、白糸の滝、赤沢出会い下淵、

たわむれ淵、釜淵、のぞき淵、瞳淵、雄滝、妙見五段の滝などの淵や滝の調査が

進められている。

また、沢や尾根の名称とその由来に関する聞き取りが始まっている。

 こうした調査をもとに、妙見菩薩版の「源流絵図」づくりが始められている。

 b)源流牛ノ寝の林相調査について

 源流研究所は、調査・研究活動の第一歩として、東京農大の宮林先生、菅原先生の

指導を受けながら、東京農大森林総合科学科造林学研究室と共同で牛ノ寝の林相調

査を今年9月と10月の二度に渡り実施した。これには、造林学研究室の学生11名

が、実働部隊として活躍、朝早くから夜遅くまで調査活動に従事した。

 9月28日朝7時に旅館を出発した調査団は、車で水源林林道終点に到着し、調査

に必要な機材をザックに詰め込み、牛ノ寝の榧野に向かった。歩き始めてすぐ急な上

り坂が続き、ザックが肩に食い込みながらも試験地の玉蝶沢の頭をめざして進み、

途中の植生の特徴を観察しながら歩き、1時間30分して目的地に着いた。  

ここでは、50b×20bの範囲にロープを張り巡らせ、小さな単位のブロック毎に樹木

の本数や樹種の特定、高さや太さ、胸高直径の測定、枝下の高さ、場所の確定など

を綿密に調査した。

また、10月の際は、土壌調査も行われた。こうして、水源の森の全体的把握が進め

られている。この調査は、今後数年に渡って継続される。調査が進めば進むほど源

流の役割や果たしている機能、その価値と可能性が徐々に明らかになるだろう。 

牛ノ寝林相調査(第1次調査)
多摩川源流研究所
東京農大造林学研究室
調査活動
1本1本の木の種類、高さ、周囲
などを調べる。(2001.9.28)
牛ノ寝林相調査(第2次調査)
多摩川源流研究所
東京農大造林学研究室 (2001.10.9)
目的地に向けて進む。
巨木の調査
土壌調査
牛ノ寝のブナの巨木